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ジオラマ

風や土の見る夢。どこかでせき止められ踏み固められた時が作る幻。

シンボル

ジオラマの核。ジオラマを象徴するもの。

ノスタルジヤ

ジオラマの意思の根源でありシンボルの行動原理。
そう言い切れるほどはっきりしたものではなく、漠然とした観念でありどう知覚されるかはジオラマによって異なっている。

─私はこの町を侵す病を根絶すべく突き動かされるように行動した。そうするのが自然で、それこそが私の存在意義だと確信していたんだよ。これを天命と呼ぶのだろうね。 【街の診療所のジオラマ】より

水仙と水仙境

ジオラマたちを繋ぎとめ、結びつけるもの。
遠い昔、海の向こうからやってきた誰かがこの国を水仙境と呼んだ。

─うつつから離れ、己も夢であったことを知りました。昔は夢と現は混ざりあっていましたから、皆が一緒にいられたのです。 少し寂しいけれど、私はこれからもずっと、水仙境の歴史であり続けるだけです。
ま、時に果てなどないのですから、飽きることはないわね。 【博物館のジオラマ】より

水溜まりが何か言いたそうにしている。
聞く

「ヂオラマ」、それが彼らの実態です。
多くは街や山村の姿に、"時"を携えて存在します。

ジオラマは土や風でできています。
つまりはそこに染み込んだ時によって作られています。
時にしがみついた誰かや何かの記憶でできています。

ジオラマでは時は流れません。
時を軸として過去や未来、そして現在のすべてが組み立てられています。
時は幻燈劇場のようにさまざまな情景を映し出します。

ジオラマにはシンボルがあります。
シンボルは意識的にせよ無意識的にせよ、彼らが「ノスタルヂヤ」と呼ぶものに従っています。
それは時に彼らの感情となり、目的となり、衝動となり、執着や祈りとなって、彼らの背を押します。
彼らは駆けだすための脚を持ち、交わすための言葉を持っています。

ジオラマが何のためにあるのかなんて、誰も答えを必要としないでしょう。
もしかしたら、たとえば磐船からこぼれ落ちて取り残された何かの、慰めくらいには、なるのかもしれません。
聞いてくれてありがと。