さよなら湖 sayonarako

水仙境、あるいはジオラマの話

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巡る夜と朝のジオラマ

【有明-黎明】
彼らは一番星だ。どちらが本当の一番か決めたがる人もいるかもしれない。彼らは月より明るくジオラマを照らし、街に朝を告げた。
cf: 大井 大峯
【日盛り-隆盛】
この時代を象徴するように輝く一等星。みんなの憧れの的である。
cf: 小牧
【黄昏-統制】
いったいどうしてこんなことになったのだろうか? “みんなの夢”を守るために今は全員が力を合わせなければならないのだという。気付いた時にはこの男がジオラマの色を塗り替えてしまっていた。
cf: 兼山
【そしてまた夜明け-荒廃と復興】
すべてノスタルジヤの描いたことだ。夢を見ることも絶望することも、灰燼から立ち上がることすらも。たとえそんな茶番劇でも、本気で演じきってやるのだと彼は不敵に笑った。
cf: 丸山

Journal

「厳しい人だから部下には怖がられているね。偉そうなのは父親譲りだな。 そのお父上が偉大な人だったもんで、気負うところもあるのかもしれないが。 でも、この人について行きたいってみんな思ってしまうんだよな。これも才能のうちかね。」─大井について、某社社員

「あの横暴な態度は頂けませんな。 好き勝手しても誰も何も言わないのはお前が偉いからではなくて、お前の父親が偉かったからだぞと言ってやりたい。」─大井について、某社社員

「ああいう人は敵を作らへんのやろな。温厚で面倒見もよくて。発電の人言うたら、大同の大井さんみたいな尖った人が多いんですけど。 でも仕事のことになるとたまに人が変わらはりますね。いえ、子供がはしゃいどるみたいなね。」─大峯について、某社社員

「ああ、あのお嬢ちゃんみたいな人ね。どうも気迫に欠けるし、我々の敵ではないよ。」─大峯について、某社社員

“眉目秀麗で西洋顔の二枚目俳優に夢中になる女性ファンは多かった。”─小牧について、『映画俳優40年史』より

“東洋一とまで持て囃され、戦前を代表する映画スターの一人であったが、戦時下の統制が強化される頃には俳優活動を引退し、電力のほうに専念するようになった。”─小牧について、『戦前映画俳優名鑑』より

“(学生時代の庄川について)『寡黙で大人しく見えたが、些細なことで怒り、よく自棄を起こしたように殴り合いの喧嘩などもしていた。』”
“余談であるが、宇治電の大峯は、庄川の養父たっての頼みで庄川の家庭教師のようなことをしていたことがある。(当時庄川は大学を停学処分になっていた。)”─小牧について、『キネマ四方山話』より
注:庄川は芸名

「性格に難しいところのあるのは否定しませんけど、でもあの顔ですから。みんな多少のことは気にしないんです。ああいう男の面倒見たがる女は多いですよ。」─小牧について、小牧の元恋人

「あまり目立つ感じじゃあないからこれといった印象もありませんが、一緒に仕事のしやすい人ですよ。◾︎◾︎省の役人だったんだっけ?優秀なんでしょうね。」─兼山について、某社社員

「軍人の役をすると様になるだろう?それもそのはずで、座長は元々陸軍の中尉だったんだよ。 そのせいか分からないが妙なファンが付きやすいな。掴めないところもあるが、信頼できる同志だよ。」─丸山について、某劇団員

「あの人は誰かの光になる人だ。私も負けてはいられない。望まれたのではなく、望んだのだから。私もあの人も。」